ロングテールSEOとは？低コストで検索上位を獲得する手法を解説

2023.01.31

ロングテールSEOは、費用をかけずに検索順位の上位取得を狙えるSEO対策です。
地道ながら確実な成果が見込めるロングテールSEOは、多くのSEO担当者に支持されており、SEO攻略のためには必要不可欠な考え方と言えるでしょう。

本記事ではSEO業界で大きな注目を集めるロングテールSEOについて、基本的な考え方やメリット・デメリット、具体的な対策手順、実践における注意点について包括的に解説します。
費用をかけることなく検索上位を取得したいSEO担当者は、ぜひ最後までご覧ください。

・自社サイトはどんな検索市場を狙えるのか？
・狙っている市場で上位表示されるのか？
・競合はどんな対策をしているのか？
・大手ポータルサイトが相手では諦めるしかないのか？

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ロングテールSEOとは

ロングテールSEOの由来、米Wired誌編集長のクリス・アンダーソン氏が提唱したロングテール理論と書かれているブロック

ロングテールSEOはSEO戦略において必要不可欠な考え方です。ここではロングテールSEOの基本的な考え方を紹介します。

複数のキーワードを組み合わせて検索上位を狙うSEO対策手法

ロングテールSEOはビッグワードとニッチなキーワードを組み合わせることでWebサイトの検索順位を向上させ、サイトへの流入増加を実現するSEO対策手法です。
たとえば「SEO」という単語は検索規模が巨大なビッグワードで、競合Webサイトの数も多いため、GoogleやYahooの検索上位に表示させるのは非常に困難です。

一方、「SEO　対策」のように複数のキーワードを組み合わせると、キーワードが「SEO」のみの場合と比べて検索規模が小さくなります。
検索ボリュームが小さいキーワード群はロングテールキーワードと呼ばれ、ビッグワードに比べて検索上位を狙いやすいのが特徴です。

「SEO　対策　費用」「SEO　対策　方法」「SEO　対策　ブログ」のように複合させるキーワードが増えるほど、キーワードに合致する検索ボリュームは少なくなり、検索上位を獲得しやすくなります。
たとえ検索ボリュームが少なくても、検索ニーズを絞り込むことで自社サイトを検索上位に表示できれば、サイト流入数は着実に増えます。

これがロングテールSEOの狙いです。

ロングテールSEOの名前の由来

ロングテールSEOという名前は、米Wired誌編集長のクリス・アンダーソン氏によって提唱されたロングテール理論に由来しています。
ロングテール理論は、数少ない売れ筋商品の販売に固執するよりも、あまり売れない商品であっても品数を豊富に取り揃える方が、長期的な売上の拡大が見込めるという考え方です。
グラフの縦軸に販売数量、横軸に商品の販売数量順を表すと、グラフの低い部分が尻尾のように長く伸びて見えることからロングテールと名付けられました。

一般的に、マーケティング分野や店舗経営においては販売数上位20％の商品やサービスが売上全体の80％を占めるという「パレートの法則」が信じられてきました。
以前までの企業はパレートの法則にしたがって、販売数上位20％の商品やサービスへ積極的に投資を行ってきました。
ロングテール理論は、そんなパレートの法則に対立するセオリーとしてビジネス業界から注目を集めるセオリーです。
特に現在の消費者の購買行動は、インターネットを用いたオンラインショッピングの傾向が高まっています。
EC事業者は物理的制約を受けずにビジネスを行えるため、大量の品数が必要なロングテール理論を実践しやすくなっています。
このロングテール理論の考え方をSEO対策に応用した戦略が、ロングテールSEOです。

ロングテールワードを用いたWebコンテンツを大量に用意し、検索クエリに対する表示順位を高めることで、自社サイトへのユーザー訪問を促します。
ロングテールSEOに成功すれば、ミドルワード・ビッグワードに依存せずにサイト訪問数を確保できるほか、ユーザーの流入元を分散させることで自社サイトの集客力が安定しやすくなります。

参照元：https://www.wired.com/2004/10/tail/

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ロングテールSEOのメリット

ロングテールSEOのメリットは次の通りです。

メリット1：低コストで実践できる
メリット2：チームで運用しやすい
メリット3：ユーザーからのコンバージョンを狙える
メリット4：長期的、安定的にWebサイトを運用できる

ここではロングテールSEOのメリットについて詳しく紹介します。

ロングテールSEOメリット1：低コストで実践できる

ロングテールSEOはリスティング広告と異なり、広告費をかけずに実践できるSEO対策です。
自社サイトの内部設計を変更する必要もないため、エンジニアやWebデザイナーが不在でも実施できます。
ロングテールキーワードに基づいてコンテンツを制作するスタッフさえいれば実践できるため、SEO対策に予算をかけられない企業におすすめです。

予算に余裕がある場合は、コンテンツ制作スタッフを増やす、あるいはプロのWebライターに外注するなどすれば、より効率的にロングテールSEOのコンテンツを量産できます。

ロングテールSEOメリット2：チームで運用しやすい

ロングテールSEOは、軸となるキーワード群をリストアップしておけば複数人のチームでも作業できます。
例えば、ロングテールSEOコンテンツとして「SEO　対策　とは」「SEO　対策　費用」「SEO　対策　やり方」「SEO　対策　タグ」「SEO　対策　ブログ」など複数のキーワード群がある場合、チームメンバーに1人1つずつコンテンツ制作を分担できます。

大掛かりなWebサイト設計が必要なSEO対策と比べて、複数人の作業者で役割分担できるのがロングテールSEOの利点です。

ロングテールSEOメリット3：ユーザーからのコンバージョンを狙える

ロングテールキーワードは非常にニッチであるため、ユーザーは検索ニーズが顕在化している可能性が高くなります。
そのため、問い合わせや資料請求といったコンバージョンを獲得しやすくなります。
「SEO」というビックキーワードを例に考えると、「SEO」という単語だけでユーザーの検索意図を推測することは不可能です。

一方、「SEO　対策　費用」という複合語を検索したユーザーの場合、「SEO対策の費用相場が知りたいのではないか」と検索意図がおおよそ推測できます。
ロングテールワードから推測した検索ニーズを満たすコンテンツを用意できれば、ユーザーは問い合わせや資料請求などのアクションに移りやすくなります。

ロングテールSEOメリット４：SEO長期的、安定的にWebサイトを運用できる

ロングテールSEOコンテンツの数が増えれば、着々とユーザーのサイト流入数を増やし続けられます。
また、ロングテールキーワードに基づいてコンテンツを多数制作しておけば、あるコンテンツの検索力が低下した場合もそのコンテンツに固執することなく、他のコンテンツでユーザーの流入を獲得できます。
特定のコンテンツに集客を依存せずに済むため、Googleのアルゴリズムアップデートの影響を受けてもアクセス数が激減するリスクはありません。

また、コンテンツ施策としてリライトを用いることで、時勢に合わせた調整が可能となるため月間の検索順位を落とす心配も都度解消できます。
Webサイト運用初心者でも長期的、安定的に運用を続けやすいのがロングテールSEOの強みです。

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ロングテールSEOのデメリット

コンテンツSEOのデメリットと書かれたブロック — Demerit in alphabet on wooden background.

ロングテールSEOはメリットが多い一方で、デメリットがあることも事実です。
ロングテールSEOの主なデメリットは次の通りです。

デメリット1：成果が出るまでに時間がかかる
デメリット2：コンテンツ管理の工数が増える
デメリット3：低品質なコンテンツを制作してしまう可能性がある

ロングテールSEOの運用を成功させるには、メリットとデメリットの両方を認識することが重要です。

ロングテールSEOのデメリット1：成果が出るまでに時間がかかる

ロングテールSEOは地道にコンテンツの数を増やすことで、少しずつ自社サイトへの流入増加を狙う施策です。
そのため、リスティング広告のように費用をかければすぐに成果が生まれるわけではありません。
ユーザーの検索ニーズを満たすコンテンツを量産できればサイト流入数は増えますが、即効性はないことを知っておきましょう。

ロングテールSEOのデメリット２：コンテンツ管理の工数が増える

ロングテールSEOでサイト流入数増加を実現するには、大前提として大量のコンテンツが必要です。
コンテンツ数が多ければ多いほどサイト流入数も増えるため、企業によっては自社サイトで数百個のWebコンテンツを管理しているケースもあります。
ただし、Webサイトに載せるコンテンツが増えるほどサイト管理者の工数も増えます。
具体的には、各コンテンツのリンクが切れていないか、内容が重複するコンテンツが登録されていないか、といった確認の手間がかかります。

また、成果が出ているコンテンツとそうでないコンテンツの違いを分析し、既存コンテンツをリライトして改善したり、さらに高品質な新規コンテンツを制作したりという作業も必要です。

ロングテールSEOのデメリット３：低品質なコンテンツを制作してしまう可能性がある

ロングテールSEOで高品質なコンテンツを継続して生み出すには、相応のクリエイティブ力やライティングのスキルが必要です。
コンテンツの字数を増やすことやキーワードを詰め込むことばかりを意識すると、競合サイトのコピペのようなコンテンツになったり、ユーザーが読みにくい文章構成になったりと、低品質なコンテンツを生み出してしまい、アナリティクスからも低評価を受ける原因になります。
コンテンツの品質を維持するためにも、コンテンツ制作後に第三者がコンテンツに目を通し、品質の高いコンテンツかどうか客観的にチェックするのが大切です。

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ロングテールSEOの対策手順

一般的に、ロングテールSEOの対策手順は次の通りです。

手順1：ロングテールキーワードを選定する
手順2：SEOコンテンツを企画、設計する
手順3：SEOコンテンツを制作、公開する
手順4：公開後のSEOコンテンツを管理する

ここではロングテールSEOの対策手順について詳しく解説します。

手順1：ロングテールキーワードを選定する

まずは攻略したいビッグワードを明確にして、そのビッグワードと関連性の高いニッチなキーワードをリストアップします。
ロングテールキーワードをリストアップするには、次のような方法が代表的です。

検索エンジンにビッグワードを入力して、サジェスト欄に出てくるキーワードを調べる
検索エリを実行した後、検索画面下部の関連キーワードを調べる
キーワードツールを使う

ロングテールキーワードを効率的に調べるためには、キーワードツールを使うのが効果的です。
キーワードツールには有料ツールだけでなく、ラッコキーワードやGoogle広告のキーワードプランナーのように無料で使えるツールまでさまざまです。
ロングテールSEOには網羅的なキーワード調査が求められるので、使える技術は積極的に活用しましょう。

手順2：SEOコンテンツを企画する

選定したキーワード群に沿って、どのようなコンテンツを制作するのかを企画します。
コンテンツを企画する際は、そのキーワード群で検索するユーザーの検索意図を読み取ることが重要です。
ロングテールキーワードを網羅するだけではなく、ユーザーの検索ニーズに応える良質なコンテンツを企画しましょう。

手順3：SEOコンテンツを制作する

コンテンツの企画が済んだら、実際にコンテンツを制作します。
ロングテールキーワードをはじめ、関連性の高いキーワードを数多く盛り込むことで、より検索上位に表示されやすいSEOコンテンツとなります。
情報の網羅性としては、流入してきたユーザーがそのコンテンツを読み終わったあとに競合コンテンツを探さなくて済む程度を目安にしましょう。
文字数の多さよりも情報の網羅性を優先しつつ、競合コンテンツには載っていないユニークな情報も盛り込むことで差別化が図れます。

手順4：制作後のSEOコンテンツを管理する

制作したコンテンツのパフォーマンスは、Googleアナリティクスやsearch consoleなどの解析ツールを使って状況分析します。
パフォーマンスが悪いコンテンツがある場合は、どこに原因があるのかを仮説立てながら検証します。
例えば、コンテンツの検索順位が低い場合は、必要なキーワードを十分に網羅できていないことを疑います。
検索順位が高いにもかかわらずクリック数が低いコンテンツは、タイトルやディスクリプションが魅力的でない可能性があります。
このようにPDCAサイクルを回し続けることで、次第にサイト流入数が定着します。

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ロングテールSEO対策の注意点

ロングテールSEOを運営するにあたっての注意点をご説明いたします。

検索意図が近いコンテンツは複数制作しない

検索意図が近いコンテンツが同じサイト内に複数存在する場合、GoogleやYahooなどの検索エンジンからの評価を分散させてしまいます。
検索エンジンからの評価が分散すると、検索意図が近い他のコンテンツの評価まで落とすことにつながるリスクがあります。
ロングテールワードのコンテンツを量産しようとするあまり、検索意図が重複したコンテンツを作ってしまわないように注意しましょう。

コンテンツごとのパフォーマンスを詳しく計測する

ロングテールSEOでは大量のコンテンツを管理しなければならないため、コンテンツごとにパフォーマンスを計測するのは大変な作業です。
もしもコンテンツ管理やパフォーマンス計測に抜け漏れがあると、既存コンテンツと類似する新規コンテンツを制作してしまう、情報が古いままのコンテンツがサイト内に残ってしまうなどのリスクが高まります。
内容が重複するコンテンツや、情報がアップデートされていないコンテンツは、ユーザーに嫌われるだけでなく検索エンジンからの評価を落とす可能性もあります。
コンテンツ数が増えても抜け目なく管理できるよう、社内体制を構築しましょう。

悪質な誘導ページは制作しない

コンバージョンを獲得するために誘導ページを量産すると、Googleのガイドライン違反に該当する恐れがあります。
誘導ページはユーザーを特定のWebページに誘導するためだけに作られたページを指す用語で、ドアウェイページとも呼ばれます。

Google公式ブログより、Webページがドアウェイページとみなされるケースを引用します。

品質の低いコンテンツに、ある特定のサイトへのリンクを追加しただけのブログを複数作り、ユーザーを誘導しているケース
地名以外ほぼ同一の誘導ページを大量に生成しているケース

※参照：https://developers.google.com/search/blog/2012/01/doorway-page

このようなコンテンツは、ユーザーの検索ニーズを満たす有益な情報をほとんど提供できていないため、ドアウェイページとみなされる可能性が高くなります。
ドアウェイページが検出されてGoogleガイドラインへの違反が報告されると、検索順位が下がる、Googleマイビジネスが停止される、最悪の場合はGoogleアカウントが停止されるなどのペナルティが課せられます。
ロングテールワードに基づいてコンテンツを制作する際は、そのコンテンツが誘導ページに該当しないように注意しましょう。

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ロングテールSEOは低コストで長期的な効果が期待できるSEO対策

いかがだったでしょうか。
本記事ではSEO攻略に必要不可欠なロングテールSEOについて、基本的な考え方やメリット・デメリット、具体的な対策手順、実践における注意点について包括的に解説しました。

ロングテールSEOはできる限り費用をかけず、検索順位の上位取得を狙える対策方法です。
正しい方法で長期的に続けていれば確実にサイト流入数を増やせるため、今後ウェブサイトやホームページ、オウンドメディアを制作・運用したい方はぜひ知っておきたいSEO対策です。

ただし、ロングテールSEOに成功するには正しいノウハウと地道な努力が欠かせません。
これからロングテールSEOを実践する方は、本記事の内容を参考にしながら長期的・安定的なサイト運用を目指してください。